ダイビングなどのマリンスポーツをしているとインストラクターの方が「今日は波が強いね」とか「海のうねりが強くて危ないね」など聞く機会があると思います。
「波は大体わかるけど、うねりって何?」
「どうして波とうねりはどうやって起きるの?」
「そもそも波とうねりって違うの?」
と私も疑問に思ったことがあります。
今回は、海の「波」と「うねり」の違いや発達について解説していこうと思います。
安全に海水浴やダイビング、サーフィンを楽しむ為に必要なことなので是非ご覧ください
海の波とは
海の波とは、風によって起きる水の移動です。
海上を通過した風によって海面の水が風に引きずられ、水の移動が起きます。
これが波が起きる原因です。
風によって起きることから風波や風浪とも呼ばれます。
波の成長
水は空気を比べて断然重く、弱い風で波が発生してもすぐに消えてしまいます。
風によって盛り上がった波も重力の影響でより重くなり、水面に戻ろうとしてしまいます。
波の成長には風の強さと距離が必要になります。
風の強さ
風の強さはイメージがつきやすいと思います。
弱い風はで起きる波は小さく、より強い風が大きい波を発生させます。
風が吹く距離
強い風が吹くだけでは波は成長しません
風が吹く距離も大切です
波は風に押されてどんどん成長していきます。
風が吹く距離が短いと十分に成長できずに消えてしまいます。
これらの要素によって波は成長していきます。
逆に言えば風がなければ波は発生しません。
これを聞いて
「風が弱い海岸でも波は来るけど・・・?」
「天気が良くて風もないのに海が荒れていたこともある」
と疑問に思った方もいると思います。
そこで次に海の「うねり」について解説します。
海のうねりとは
海のうねりとは強い波(風波)が発生した衝撃で海全体に伝わる衝撃のことを言います。
わかりやすく言えば水溜りに石を落として時にできる波紋がうねりです。
波(風波)は風向きと同じ方向に発生して、風と共に移動していきます。
それに対し、うねりは風の吹いていない場所にまで伝わっていきます。
水溜りに出来た波紋は風の影響なんて受けずに水全体に広がっていきますよね、それと同じ原理です。
波(風波)によって生まれた衝撃が風の方向と関係なく、うねりを発生させます。
水(海水)は衝撃を遠くまで伝える性質がある為、数百km離れた場所にまでうねりが伝わります。
これが風が弱い海岸でも波が海岸に来る理由です。
海岸付近ではない、遠くの沖で発生したうねりが海岸にまで伝わったということです。
うねりの成長
うねりは発生は波と関係なくても、成長は風の影響を受けます。
発生したうねりが遠くまで伝わり、風向きと重なった時、うねりは大きく成長します。
逆に向い風になった場合は風向きとその風によって発生した波(風波)と打ち消し合い、うねりは弱まります。
また、海流もうねりの成長に関係していきます。
うねりが海流に沿えばうねりは強くなり、逆は弱まります。
そして、うねりの元となる衝撃が大きければ大きいほど’うねり”も強くなります。
代表例は台風です。
夏になると、太平洋で台風が多く発生します。
台風によって発生するうねりはとても強く、風向きが合えば、強力な波が海岸に押し寄せることになります。
夏の快晴で絶好の海日和だとしても、遥か遠くで発生した台風の影響で、強力な波が押し寄せ、事故に繋がるケースが多くあります。
太平洋で発生したうねりが日本に到達するのは2〜3日後と言われています。
海水浴、マリススポーツを楽しむ方は当日の天気だけでなく、発生している台風の位置も見ておくと海のコンディションも予想でき、より安全に楽しむことが出来ると思います。
また、サーフィンを楽しみたい方は、うねりが強い時期に行って大きな波を狙うのも楽しみの1つですが、安全を十分に考慮して楽しみましょう。
まとめ
波(風浪)とは
・風によって発生する
・風向きに沿って波が発生する
・風の強さ、吹く距離によって強弱が決まる
うねりとは
・波が発生した衝撃で発生する
・水の波紋のようなもの
・風向きに関係なく、発生する
・数百km遠くまで伝わる
おわりに
今回は波とうねりについて解説していきました。
ややマニアックな事だと思いますが、安全に海と付き合っていくには必要な知識だと思います。
気象について知っておくと、心の準備も出来ますし、うねりが強そうだからボートダイビングは止めておこうとか、酔い止めを持っていこうなど対策にも繋がるので覚えておいて損はないと思います。
ご覧いただきありがとうございました!
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